デンプンやタンパク質を測定する実験の構想〜自宅でできる簡単な研究(FR-1.1)

2023-03-24

個人研究を始めました。何かの役には立たないし、人から見たらどうでも良いことで自己満足の世界ですが取り組んでみることにしました。

旅行先で蕎麦を食べることを楽しみにしていますが、大盛りでも足りない!
もっと食べたいけれどお財布の中が・・・
そこで、自分で蕎麦を打って思う存分食べらればこのストレスが解消するのでは?
安易な考えのもと蕎麦打ちの挑戦してみますが、御多分に洩れず上手には打てません。蕎麦粉への加水の影響がほとんどと言われていますが、蕎麦粉のせいでは?
そこで「蕎麦粉の成分分布の違いを科学的に調べられないか」と考えたのががこのテーマのきっかけです。

構想

調べたいサンプルに試薬を混ぜて
 (1) 呈色反応
 (2) デジタル画像を取得
 (3) 画像処理と解析
を実施する事でサンプルに含まれる成分を定量的に評価をする。

実施すること
(1) 呈色反応(今回実施)
 何段階かに希釈したサンプル(希釈系列)に呈色試薬を加える
 調べるサンプルに含まれる成分と反応する事で色が変化する

メモ

呈色反応とは、特定の試薬に対し特定の成分が発色または変色の現象を示す化学反応。このような現象を生じさせる物質を呈色試薬という。

(2) デジタル画像を取得
 呈色反応の結果をデジカメで撮影するための最適な方法を調べる
 デジタルカメラでデジタル画像を取得する

(3) 画像処理と解析
 Image Jを用いて、取得したデジタル画像をRGBに色分解する
 プロファイルをプロットし、数値化する
 数値化したデーターを処理し、解析する

メモ

Image Jは、科学研究における画像解析に広く利用されているフリーソフトで、前身のNIH Imageの頃からお世話になっています。

(1)〜(3)を実施し、サンプルの成分を定量化する。

自宅で実験する条件
 試薬は、市販品を使用する
 劇毒物など個人所有していると社会的に問題になるものは使用しない
 実験した後に出る廃液が流しに流しても問題にならないことを前提に、使用する試薬を選定する
 実験器具は、国内で個人購入で買えるものを購入する
 研究機関でしか販売しない入手困難な物や高価な物は、百円ショップので売られている製品で代用する

実験器具
サンプルの重さを量るスケールは、
「YFFSFDC ポケットスケール 0.01g-200g精密 デジタルスケール」をアマゾンで購入しました。

ポケットスケール

0.01g-200gの範囲で量れるようです。1円玉の重さは、1gと表示され100mgのレベルでは安心して量れそうです。
薬方紙は、クッキングシートで代用可能です。

使用する溶液は、少量の場合のために「マイクロピペット モノタロウ/M200」とチップ「ビオラモサクラチップ(バルクパック) アズワン 容量(μL):200」をモノタローで購入しました。
1ml以上の液体は、以前研究室の引っ越しを手伝った時に廃棄予定の1ml、0.5ml、0.25mlの3種類が量れるピペットを頂いており、今回はそれを使用することにしました。
100円均一などで売っているスポイトでも代用可能です。水を1g吸い取った場所に印をつければ1mlが量れるピペットになります。

試薬やサンプルの保存用に1.5mlのマイクロチューブ「ビオラモ マイクロチューブ 内容量: 1箱(1000個) 容量(mL): 1.5」とチューブたて「マイクロチューブラック」は、モノタローで購入しました。

ピペットとチューブ

反応容器は、1ml前後の量が扱え、呈色反応を見ることを考え白い製氷皿にしました。また、5ml位の溶液が扱える容器は、ピルケースにしました。意外と便利です。「製氷皿 フタ付き アイスキューブトレーミニ」は、Amazonで「ピルケース」は、百円ショップで購入しました。

製氷皿とピルケース

サンプルを加熱して融解する時のために「ビーカーHARIO PYREX」をモノタローで購入しました。

試しの呈色反応を実施
簡単に出来そうな呈色反応としてヨウ素デンプン反応がまず思いつきました。この実験方法を確立すれば、サンプルに含まれるデンプンの量を調べることが出来ると考えています。

試薬はポピドンヨードうがい薬を、サンプルは片栗粉(馬鈴薯デンプン)で試すことにしました。
水は蒸留水を使いたいところですが、まずは浄水器を通した水道水で実施することにしました。

片栗粉とポピドンヨード液

片栗粉の成分は、約82%が炭水化物でそのほとんどがデンプンです。ポピドンヨードうがい薬を、ヨウ素液として使用しました。

方法
サンプルの希釈系列
10mg/mlの片栗粉を含む水溶液を加熱すると、片栗粉がほぼ透明になり溶けた状態になります。
10mg/mlの片栗粉水溶液を0.9mlの水の入った製氷皿のブロック(ウエル)に0.1ml加えます(写真の第1列)。
2〜8列のブロックに0.5mlの水を入れ、1列目の溶液を0.5ml取り2列目のブロックと混ぜると2倍希釈のサンプル溶液となります。
この操作を3〜8列で繰り返し、8列目の溶液0.5mlを捨てれば各ブロックに0.5mlの2倍希釈系列ができます。

ヨウ素デンプン反応
呈色試薬としてポピドンヨードうがい薬を水で10倍に薄めたものを、サンプルの希釈系列ブロックに0.5mlずつ加え溢れないよう揺らして撹拌します。

ヨウ素デンプン反応

写真のA〜C行は、同じ希釈系列のサンプルが入っています。
デンプン濃度が濃い左側の第1列目は、青紫色になりデンプン量が少なるなる右側(第2列目から8列目に向かって)に行くにつれ、青紫色が薄くなりポピドンヨードうがい薬と同じ茶色になりました。

以上より「呈色反応」に関しては条件を詰めれば何とかなる目処が立ちました。次は「デジタル画像を取得」の検討を実施する予定です。