食紅をモデルにした呈色反応のデジタル画像取得法〜自宅でできる簡単な研究(FR-1.2)
何かの役には立たないし、人から見たらどうでも良いことで自己満足の世界でありますが以下の構想のもと個人研究に取り組んでいます。
調べたいサンプルに試薬を混ぜて
(1) 呈色反応
(2) デジタル画像を取得
(3) 画像処理と解析
を実施する事でサンプルに含まれる成分を定量的に評価をする。
呈色反応の結果をデジカメで撮影してデジタル画像の取得を実施したところ、照明で苦労することになりました。
今回、実施したことは、
(2) デジタル画像を取得
呈色反応の結果をデジカメで撮影するための最適な方法を調べる
デジタルカメラでデジタル画像を取得する
です。
呈色反応の代わりに食紅を使い、デジタル画像の取得を検討してみました。
使用した食紅は、タール色素に分類される合成着色料で市販されています。
赤色102号
ニューコクシン(英語: New Coccine, Ponceau 4R)は、赤色に着色することのできる着色料。
主に、工業製品の着色用途や食品添加物として使用され、耐酸性や耐塩性に優れている。
青色1号
ブリリアントブルーFCF (Brilliant Blue FCF) は、青色に着色することのできる着色料。
光や熱、酸には強いが着色力があまり強くないといった特徴がある。
黄色4号
タートラジン (Tartrazine) は、黄色に着色することのできる着色料。
熱や光、酸、塩基には強いが、多量のビタミンCで還元される。
緑色
黄色4号を8.4%、青色1号を3.6%含む着色料。
付属の1さじ(0.5g)を水 1mLで溶解したものを原液としました。それぞれの食紅の原液を10倍に薄め、2倍希釈系列(左から右へ)を製氷皿で作りました。
落射照明の検討
食紅の2倍希釈系列の写真撮影は、窓際の明るいところで行いました。
左と右では、明るさが異なった写真となりました。この結果から、天候・時間・季節によって照明が安定しないことが分かりました。呈色反応を写真に撮ってその色を解析するのが最終目的なので、安定した照明が必要であるという結論に至りました。
そこで、均一に光を当てるのに適しているリングライト「Amconsure LEDリングライト 三脚スタンド+卓上スタンド」を購入し撮影することにしました。
下の写真がリングライトを使用して撮影した結果です。
予想に反して、リングライトで照明して写真を撮ると液面にリングライトの光が反射した写真になってしまいました。
リングライトの光の反射を避けるには、斜めから反射が映らない様に写真を撮ることで解決しました。下の写真がその結果です。しかし、製氷皿のブロックが歪になり解析に支障が出ることが予想されました。
結論としてサンプルの入った製氷皿を上からの照明(落射照明)で撮影することは、光源の反射を避けきれないことが分かり、この実験には不向きであると判断しました。
透過照明の検討
次に、サンプルの入った容器を下側から光を当てて撮影する方法(透過照明)の検討をすることにしました。
まず反応容器は、底が透明な96穴マイクロプレートを個人で購入できるかを調べました。販売先が研究所のみで個人に販売していないところが多く入手するのが大変でしたが、株式会社コクゴさんから「96穴マイクロテストプレートPS平底 0.4ml」を少数から販売しており、購入することが出来ました。
透過照明の器具として、今ではデジタル化が進みフィルムレスになりましたが、以前はレントゲンフィルムなどを見るのに使われていたシャウカステンを使うことを考えました。しかし、ほとんどがLED発光のもので高価であることから、断念し代用出来るものを探すことにしました。
身近にある白色の光を発するものとして、iPadが大きさも手頃で代用出来そうなので検討してみました。
iPad3(まだ現役です)のブックアプリから白紙のファイルを開き、透過照明の光源としました。また、マイクロプレート以外の周りの光を遮断するため、段ボールにマイクロプレートの大きさの穴を開けたものを手作りしました。
96穴マイクロプレートで、食紅原液を10倍に薄めたものから2倍希釈系列(左から右)を作り、iPadで透過照明し写真撮影しました。その結果が下の写真です。
1. 赤色102号
2. 青色1号
3. 黄色4号
4. 緑(青色1号+黄色4号)
5. 赤色102号+青色1号
6. 赤色102号+黄色4号
それぞれの食紅で希釈系列の写真が満足する形で撮れています。
今後、この方法で撮った写真での結果を解析する方法について、検討を進めていく予定です。
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